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人魚姫





 ねぇ、知ってる? 新一。

生き物はね、小さな泡から生まれたんだって。

そう、まだ月が手に届きそうなくらい近かった頃。 まぁ、実際に届きはしなかったけどね。

快斗は肩を小さくすくめて苦笑した。 まるでその頃から生きているみたいな言い草だ。 そして、もしそうだったとしても大して驚かないだろうという妙な自信が、新一にはあった。

人魚姫とは、真逆だね。

快斗が続ける。 相槌は打たない。 相槌を求めているわけでは無いだろうから。

人間の王子様に恋をして、人間になって。 そして泡になって消えたお姫様。

素敵だと思わない? 泡に始まって、泡に終わるんだ。

 ずっと前を見てうっすら笑みを浮かべていた快斗が、こちらを見た。 その顔は、思いの他真剣だった。

ねぇ新一、オレはね。

君の為だったら泡になれる。 人魚姫のように、泡になって消えることがね。

 快斗が指を鳴らす。 するとその指からは、どういう仕組みなのかシャボン玉が生まれてきた。

綺麗な泡を指から紡ぎだしながら、快斗はまたうっすらと笑い始める。 それは、いつもの楽しそうな笑み。

それで泡になったらね、またいつか生まれ変わって、人間になって。

また君を探すんだ。

え? 大丈夫だって。 新一とオレは、運命共同体なんだから。 すぐ、見つけるさ。

ねぇ、いい事教えてあげようか、新一。

この世に、本当に本当の終わりなんて無いんだ。

「終わりは、始まりなんだよ」





---***あとがき。
 中1の頃、理科の授業でビデオを見ていて、「人類は泡から生まれた」ってのを聞いてビックリした思い出(笑)
「これは快新に使える!」とメモっておいたのですが(待て)運悪く友達(男子)に見られたそれもまた思い出(・・・)
え、快新的にメモってなかったんで、私が腐女子なのはバレてないハズですがね(笑)

 これは、多分どこかの小説に組み込まれる予定だったもの。 もしかしたら、似たようなのが普通小説に入るかもしれません。